

北海道のラーメンとカレーラーメンについて
北海道3大ラーメンと言えば札幌の「みそラーメン」、函館の「しおラーメン」、旭川の「しょうゆラーメン」。
それぞれの発祥や味については現在も進化し、その定義についてもはっきりしたものは有りませんが、一般的には「札幌ラーメン」と言えば「純すみ系」や「村中系」とよばれるちぢれ麺にしょうがを溶かして食べる「味噌ラーメン」が多く、「旭川ラーメン」はちぢれ麺に豚骨・鶏ガラ・野菜でWスープで、豚骨の臭みを消すために煮干しや昆布などの魚介を使用する「醤油ラーメン」が多い印象で、「函館ラーメン」は中太のストレート麺に豚骨や鶏ガラ出しに塩ダレを入れた透明なスープの塩ラーメンで「支那そば」と呼ぶお店もあります。
第4のラーメンと言えば「釧路ラーメン」と言われることも多く、一般的に言われる特徴としては細めのちぢれ麺に鰹だしのさっぱりしたスープが特徴です。

旭川ラーメンも釧路ラーメンも醤油ベースのラーメンが多いのでその違いの定義については後日別記事にてご紹介します!
カレーラーメンの歴史
カレーラーメンの発祥
北海道の「4大ラーメン」についても諸説ありますが、【カレーラーメン発祥】についても諸説あります。
①新潟県発祥説
新潟市も北海道と同じく様々な有名ラーメン屋が存在し、「新潟あっさり醤油ラーメン」・「新潟濃厚味噌ラーメン」・「長岡生姜醤油ラーメン」・「燕三条背脂ラーメン」の4大ラーメンが有名でしたが、「神の舌を持つ男」でおなじみのラーメン評論家「石神秀幸」さんが2011年に「新潟5大ラーメン」と表現したことで「三条カレーラーメン」も一躍有名になりました。
「三条カレーラーメン」自体の歴史は70年以上とも言われており、当時はカレーラーメン専門店というより町の中華屋や食堂のメニューの一つとして提供されていたようですが、現在は新潟県三条市内には70店舗以上の店でカレーラーメンが提供されているそうです。
②千葉県発祥説
1955年に千葉県小見川町で生まれた「実之和食堂」の定番メニューとして提供され、現在は店主の息子さんが東京都港区六本木・赤坂の「麺酒房 実之和」南青山の「かれー麺 実之和」など都心の一等地にも出店しています。
③北海道発祥説
今回ご紹介する【カレーラーメン】も北海道第4のラーメンを自負しており、その真偽について決定的なものはありませんが、実際に室蘭市は2006年に「室蘭ラーメンの会」を発足する力の入れようです。
ここでこの記事の表題に対する疑問が生まれます。
「ん?苫小牧は??」
一方の苫小牧も「とまこまいカレーラーメン振興局」を発足しておりそれぞれ別の団体として発信しています。

主に国内3ヶ所でそれぞれ【カレーラーメン発祥】の地としてうたっていますが、どの地域も【カレーラーメン】の定義がはっきりしたものではなく、店舗ごとに味や具材など独自の進化を遂げているので僕個人の感想としては結果が出るのはもう少し時間が必要だと思います!
どちらにせよ【北海道カレーラーメン】を語るにあたるにせよ避けて通れないお店は【味の大王】です。
実際にGoogleMapを使って胆振地方付近で【味の大王】と検索してみましょう。

店名に【味の大王】とついている店舗が室蘭市から苫小牧市にかけていくつか出てきます。
カレーラーメンの苫小牧と室蘭のそれぞれの歴史
「味の大王」苫小牧系列
【北海道カレーラーメン】の元祖は苫小牧にある「味の大王 総本店」です。
1965年、創業者が苫小牧市大町にって食堂を開業し、その中のメニューの一つとして【カレーラーメン】を作り出すも、その後廃業。
2年後の1967年に岩見沢市の岩見沢市商店街にてラーメン専門店「味の大王」として復活することから始まります。
1971年、再び苫小牧錦町移転し「味の大王 総本店」を開業し、1994年に現在の苫小牧市植苗に移転し20007年に創業者の実子が代表として現在に至ります。
苫小牧に「味の大王 生粋」、「味の大王 知新(ちあら)」、「味の大王 ぎょうざ部」を出店し、現在はフランチャイズ店として札幌市の「ラーメン大王 新札幌店」、登別市の「味の大王 登別温泉店」、沙流郡平取町の「味道園(味の大王ラーメン)」が出店されるなど北海道内各地に店舗展開しています。
「味の大王」室蘭系列
その岩見沢市の「味の大王」に弟子入りし修行した方が暖簾分けとして1971年に室蘭市輪西に開業したのが室蘭の「味の大王 輪西店」で、翌年の1972年に現在の室蘭市中央町の中央町商店街の大町商店会エリアに「味の大王 室蘭本店」として移転しています。
「味の大王」の室蘭系列としては「味の大王 室蘭本店」の他にも室蘭市中央町の「味の大王 裏浜町店」や室蘭市中島町の「味の大王 なかじま店」・「味の大王 東室蘭西口店」がありますがメニューなどそれぞれ進化を遂げたものになっています。
苫小牧・室蘭の「味の大王」の違い
「味の大王」外観の違い
両店の区別は店名「味の」「大王」の間に○の中に赤字で王の印が入ると総本店の系列となります。

「味の大王」味・見た目の違い


見た目からして「味の大王 総本店(苫小牧)」と「味の大王 室蘭総本店」は全く違います。
カレースープのトロみは苫小牧の方がドロドロした感じで、対する室蘭はより素朴なカレーな味わいです。
「味の大王」店内の違い


「味の大王 総本店(苫小牧)」は広い店内で注文は食券で提供もセルフなどチェーン店感があるのに対し、「味の大王 室蘭本店」は町中華感が漂います。
どちらも駐車スペースを広く確保され、小上がりもある為お子様連れのファミリーやグループでのドライブでも利用しやすい店舗になっています。
【カレーラーメン】味の大王 苫小牧で食べるか?室蘭で食べるか?まとめ
北海道3大ラーメンは「札幌味噌ラーメン」・「旭川醤油ラーメン」・「函館塩ラーメン」は決定的ですが、北海道4大ラーメンとはというと「釧路ラーメン」や「カレーラーメン」など諸説あります。
その【カレーラーメン】は【味の大王】を代表し、中でも苫小牧市を拠点とする「総本店系列」と室蘭を拠点とする「室蘭系」に分かれています。
かつて、本州と北海道を結ぶフェリーを茨城県の大洗から苫小牧を結ぶか室蘭を結ぶかの誘致問題をめぐり「苫蘭戦争(止まらん戦争)」などと呼ばれた時期もありましたが、「味の大王」は経営方針や進化の方向は違えど、れっきとした暖簾分けで胆振の海岸沿いの都市で栄えた【カレーラーメン】文化として「味の大王」だけでなく多くのラーメン店で【カレーラーメン】は提供され、ソウルフードとして親しまれています。
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